うたまるです。どーもです。中小企業でWeb担当をしています。
今日はSEO対策について書きます。とは言っても、「最新のSEO対策はこれだ!!」みたいな面白い話じゃありません。一昔前に流行っていた被リンクをやたらとたくさん貼りまくる、あの対策のお話です。
今どきこんな対策をしたらペナルティの対象になりそうなので、やる人はいないかと思いますが…。じゃあ、なんで今頃こんな話をするかと言うと、私が管理しているサイトにこの「一昔前に流行っていた被リンク対策」で貼られた被リンクが最近まで放置されて残っていたからです。
私自身、「過去にこういうSEO対策が流行っていた」という程度の認識しかなかったので、まさか、自社のサイトにそんな被リンクが残っているとは思ってもみませんでした。
ということで、今回は過去のSEO対策で放置された被リンクの残骸をどうしたか、と言うお話です。
もし、
- 過去に大量に被リンクを貼るSEO対策をしたことがある
- 管理しているサイトにどんな被リンクがついているか見たことがない
という方は一度チェックしてみてください。では、本題へ
■きっかけは社長の一言
なんで今頃、昔のSEO対策の話になったかと言うと、社長からポロっと出てきたこの言葉。
社長:10年ぐらい前に中国から被リンクを買ったときは検索順位が上がったぞー
私:(☉ε ⊙ノ)ノ エッ?
まじかーーー!はよ言うてーーー!
社長曰く、2010年前後に取引をしていた広告代理店が、被リンクを購入するSEO対策を行ったそうです。広告代理店の先にSEO業者が入っていて、今ではその業者の名前も分からず、連絡もつかず、何の対応もしてもらえない状態でした。
その時に貼られた被リンクをその後、どうしたのかも聞いてみましたが「特に何もしていない」とのことで、つまりは放置されているということでした。
そんなこんなで、昔のSEO対策で貼られた被リンクが10年近く放置されていることが判明したわけです。これを放っておくわけにはいきませんので、まずは被リンクがどれぐらい残っているのか、現状を把握することから始めました。
あぁ、気が重い…
■まずは、どんな被リンクが付いているのか調べてみる
まずは、どんな被リンクが付いているのかSearch Console(サーチコンソール)で調べます。調べ方はとっても簡単。

- 左側のメニューの【リンク】をクリック
- 否認する被リンクのリストを作る
- Search Consoleに否認リストをアップロードする
※【バックリンクの否認】は慎重に行ってください。良い被リンクまで否認してしまうと大きな損失になってしまうので、面倒ですが被リンクの精査は慎重に行いましょう。「めんどくさいから全部、否認しちゃえ~」とか絶対に思わないでください。検索順位に影響するでー。
■①被リンクの精査:品質の低い被リンクってどんなリンク?
まずは、Search Consoleからダウンロードしてきた被リンクの一覧を精査します。
被リンクの一覧にはリンク元のサイトのURLがあるので、サイトの内容を確認し、品質の低いWebサイトの場合はURLをテキストエディタに抜き出しておきましょう。後程、否認する被リンクのリストを作ります。
この作業で私が迷ったのが「品質の低いWebサイト」が具体的にどんなサイトを指すのか?という点でした。うっかり良い被リンクまで否認してしまうことが怖かったので、ビビりつつGoogle のウェブマスター向けガイドラインを読んでみました。(ウェブマスター向けガイドラインはこちら)
ウェブマスター向けガイドラインの中からよくありそうな例を抜粋しました。Googleがこういうことはしないようにして下さいとアナウンスしています。
- 検索順位の操作を目的としたリンク
- 内容の薄いアフィリエイトサイト
- コピーコンテンツ
- キーワードを不自然に詰め込んだコンテンツ
- オリジナルのコンテンツがない
また、基本方針として「検索エンジンではなく、ユーザーの利便性が最優先」「ユーザーをだますようなことはしない」ことが挙げられていました。
正直に言うと、この文章を読んだだけでは「品質の低いWebサイト」がどういうものか、いまひとつピンときませんでした。なので、とりあえず被リンク一覧のサイトの中身を見てみることにしました。
リンク元のサイトを見たら、ガイドラインに書かれている意味がよーく分かりました。こういうことねー。どんなサイトから被リンクが貼られていたかと言うと
- 内容なんてなーんにもない、ドメインだけのサイト
- ちょろっとだけ文章が書いてあるだけのサイト
- 自サイトと関連性が全く無いサイト
- 2010年前後で更新が止まっているサイト
- 中国語のサイト※
※中国語のサイト=低品質のサイト、という意味ではなく、日本国内限定のサービスを行っている企業のサイトに中国語のサイトから大量に被リンクが貼られていたので、不自然な被リンクと判断しました。
こんなサイトが25,000件出てきましたー(*´Д`)
さっきの「検索順位の操作を目的としたリンク」「オリジナルのコンテンツがない」に当てはまりそうな陳腐なサイトだらけです。「ユーザーにメリットをもたらすサイト」かどうかを基準にすると否認するサイトかどうかの判断をしやすかったです。
■②否認する被リンクのリストを作る:どんな形式で書くの?
否認したい被リンクのURLをリストにしていきます。形式はこんな感じです。
- 拡張子が【.txt】
- 文字コードは【UTF-8】【7-bit ASCII】のどちらか
- 否認するURLもしくはドメインを1行ずつ書く
- ドメインを否認する場合は【domain:】を行頭につけます。
- 行の先頭に【#】をつけるとコメントの扱いになる
例えばこんな感じです。
# URLを否認(コメントです)
https://abc.com/spam/index.html
https://def.com/spam/index.html
# ドメインを否認(コメントです)
domain:ghi.com
普段使っているテキストエディタや、Windowsのメモ帳で大丈夫です。Macにもメモ帳的なアプリケーションありますよね?(私はWindowsユーザーなのですみません…)
■③Search Consoleに否認リストをアップロードする:あとちょっとで終わり!
被リンクのリストをSearch Consoleにアップロードして終了です。
- リンクの否認ツールのページにアクセスします。(https://www.google.com/webmasters/tools/disavow-links-main)
- プルダウンメニューから対象のウェブサイトを選択します
- 注意書きのメッセージが表示されるので確認してから【リンクの否認】をクリック
- 【ファイルを選択】をクリックして被リンクリストをアップロード→【送信】→【完了】



はい!これで終了です。お疲れ様でした。
※本当に注意していただきたいので再度言います。バックリンクの被リンクは慎重に行ってください。良質な被リンクまで否認してしまうと検索順位に影響が出てしまうかもしれません。大きな損失につながってしまいますので慎重に行いましょう。
■バックリンクの否認をしてみて
今回、バックリンクの否認をしてから2~3ヶ月様子を見てみましたが、検索順位に変化が出ることはありませんでした。そもそも、サイト自体の品質が低かったからかもしれません。(Webサイトのリニューアルの話はまた別の機会にしようと思います。)
とはいえ、Googleのペナルティも怖いのでやっといて損はないのかな、と思いました。また、Google のウェブマスター向けガイドラインをちゃんと読む良いきっかけにもなりました。今までなんとなく後回しにしていたので…
「品質の低いWebサイトからの被リンクは検索順位が下がる原因になりえる」と、SEO対策の書籍などによく書かれているので、情報としては理解しているつもりでしたが、実際に品質の低いWebサイトを精査する作業になると手が止まってしまいました。良い被リンクまで否認してしまったら、と思うとちょっと怖かったです。
今回、私が精査した被リンクは極端に品質の低いWebサイトがほとんどだったので、判断しやすかったのですが、「ユーザーの役に立つサイトか?」というところを判断基準にすると精査しやすかったです。
■後日談
今回の被リンク対応をした少し後に、社長からこんな話がでました。
社長:もう一回SEO対策の業者を入れて、被リンクを買わせよう
私:ダメです
私が勤める会社はWeb制作会社でも何でもない、一般の中小企業です。経営者がSEO対策に詳しくなくてもなんの不思議もありません。10年前と現在でSEO対策のアルゴリズムが大きく変わっていることを知らなくて当然だと思っています。(だからWeb担当者が会社の中にいるわけですから。)
この時は、こんな感じの説明をして回避しました。
「10年前はSEO業者から被リンクを買って、検索順位を上げることができましたが、今はそういうことをすると逆に検索順位が下がったり、ペナルティを受けて検索結果に表示されなくなったりしますよ。」
「10年ぐらい前に被リンクを買う対策が横行したのでGoogleが不正な被リンクはペナルティの対象になるように仕組みを変えました。」
Googleはこう言っています。↓
サイトへの不自然な人為的、偽装、または不正なリンクのパターンが検出されました。PageRank を操作することを目的としたリンクの購入やリンク プログラムへの参加は、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に違反しています。 こうした行為をすると、サイトの一部またはすべてに対して手動による対策が実施される場合があります。
https://support.google.com/webmasters/answer/9044175#unnatural-links-to-your-site
↑この中の「手動による対策」とは下記のペナルティのことです。
Google では、担当者がサイト上のページを目視で審査し、Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)に準拠していないと判断した場合、そのサイトに対して手動による対策を実施します。手動による対策のほとんどは、検索インデックスの操作への対処です。ここに報告されている問題のほとんどは、ページやサイトの掲載順位が下がる、または検索結果から除外される原因となりますが、ユーザーに対して視覚的に識別できるような表示は行われません。
https://support.google.com/webmasters/answer/9044175?hl=ja
Webサイトの評価基準として被リンクは現在も有効な手段です。ただし、ユーザーの役に立つような品質の高いWebサイトからの被リンクであれば、の話です。要は「被リンクの数」ではなく「被リンクの質」ということです。
当然、自社のWebサイトもユーザーの役に立つ品質の高いWebサイトを目指していく必要がありますので、今後のSEO対策としてコンテンツの強化をしていくことになりました。
コンテンツSEOについてもこの後、なが~い道のりがあるのですが、それはまた別の機会に書こうと思うので今日はここまでです。最後まで読んでくださってありがとうございました。