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中小企業のぼっちWeb担のブログ

ネットで見つけた画像を無断で使うと著作権の侵害になるの?

Web担当のうたまるです。どーもです。

会社のWebサイトやチラシを作る際に、上司や社長から「この画像を使って欲しい」と画像素材を渡されたことってないでしょうか?

その画像がPIXTAやShutterstockのような素材サイトで購入した画像であれば安心なのですが、そんなラッキーなことは今まで一度もありませんでした。だいたい、Googleの画像検索で取ってきた画像を渡されます。

ここで気なるのが著作権の問題です。「この画像、本当に使って大丈夫?」ってなることが多いです。

もちろん、ネットで拾った画像を無断で使用することは違法です。ただ、私は違法だと知っていますが、それを上司に理解してもらうことができず、あたふたした経験があります。そこで、一度ちゃんと著作権について調べてみることにしました。

上司や社長から使ってはいけない画像を渡されてお困りの方の参考になればうれしいです。

まずは、「著作権」とは何ぞや

そもそも著作権って何でしょうか?言葉自体は知っていますが、具体的に何を指すのかがよくわからなかったので調べてみました。著作権法では下記の物を著作物の例として挙げています。

第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。

一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物

著作権法第10条1項

会社のWebサイトや広告に関わっている人に関係がありそうなのは、①④⑥⑧あたりでしょうか。

例えば、ネットで見つけてきた写真やイラスト、文章など他人が作ったものを無断でWebサイトやチラシに使用すると、著作権の侵害にあたるということです。

また、著作権は役所に申請手続きをしていなくても、制作した段階で発生する権利です。なので、「いちいち著作権の申請なんてしてないでしょ?」なんて考えているとキケンです。行政の手続きをしなくても著作権は発生しています。つまり、個人がネットにアップした画像であっても著作権はあります。

著作権は創作と同時に発生する権利です。したがって、権利の発生のために特許庁や文化庁等の行政機関に手続きをする必要がありません。著作権を有すると、自身の著作物の利用を独占できると共に、第三者が無断でその著作物を利用していればそれを排除することができます。

他人の著作物を無断で利用(たとえば、コピー&ペースト、模倣品の製造等)すると、原則として、著作権の侵害となります。著作権の侵害に該当すれば、利用行為の差し止めや損害賠償の請求等を受ける可能性があります。また、著作権侵害は刑事上の罰則の対象にもなっています。

日本弁理士会 著作権とは

↑著作権は特許庁や文化庁等の行政機関に手続きをする必要はないと書かれています。

著作権トラブルにならないために注意すること

他人の著作物を無断で利用してしまうと、最悪の場合は訴えられて、使用の差し止めや損害賠償請求をされる可能性があります。

もしも、刑事事件になった場合は10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金のいずれか、もしくはその両方が科せられる可能性があります(著作権法119条)。また、SNSで炎上するなどのトラブルも考えられます。

もちろん、こんなトラブルには関わりたくないですよねー(*´Д`)。なので著作権について注意する点をまとめました。

「バレなきゃOK」と軽く考えない

ネットで見つけた画像や文章を無断で使っても、見つからないのでは?と思っているとキケンです。簡単に調べられます。

Googleの画像検索の検索窓に画像をアップロードすれば、その画像が使われているWebページを検索できます。自分の画像が無断使用されていないか、画像の持ち主が調べようと思えば簡単に調べられます。

テキストの場合もGoogle検索でおおかた見つけられると思います。

自分がアップした画像が無断使用されていないか、細かくチェックしている人は多くはないと思いますが、いないわけではありません。ネットで著作権トラブルの記事を検索すると、過去のネットニュースがいくつも出てきます。

  • 滋賀県野洲市の機関誌に有料素材の画像を無断で使用し、30万円の賠償請求。
  • 高砂市がイラスト素材を無断で使用し、40万円の賠償請求。
  • JR東日本新潟支社がネット上の鉄道写真を自社のWebサイトに無断で掲載し、謝罪文を掲載。

このように、ネットで見つけた画像を気軽に使ってしまったことで、賠償請求が発生したり、謝罪文を掲載した事例があります。著作者が自分で発見したのか、第三者から指摘されたのかは分かりませんが、安易に他人の著作物を使うとトラブルになります。

引用にも注意

著作物を例外的に利用できる方法として、引用があります。ただし、この【引用】にもルールがあります。単純に出典元を記載しておけばOKという訳ではないのでご注意ください。

他人の著作物を引用する際のルールがこちらです。これらの条件をクリアしていないと引用として成立せず、著作権の侵害になってしまいます。

他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合、すなわち引用を行う場合、一般的には、以下の事項に注意しなければなりません。

1 他人の著作物を引用する必然性があること。
2 かぎ括弧をつけるなど、自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
3 自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
4 出所の明示がなされていること。(第48条)

文化庁「著作物が自由に使える場合」

ここで気になるのが、1番の引用の必然性です。

例えば、Webサイトを作る上で「この画像を引用しないとコンテンツが成立しない!」という状況になっているということです。さて、このような状況ってあるでしょうか?

文章の途中に挿入するイメージ画像、ぐらいの役割であれば別にその画像でなくてもいいはずです。フリー素材なり有料素材なりを探せば解決します。また、何かの説明図の場合でも、自分で作るなり、外注して作るなり方法はあります。

そうなると、他人の画像を引用できる場面ってほとんど無いってことですよね…。引用のルールを満たしていない以上、出典元を明記していてもアウトと言うことです。

フリー素材の利用規約を必ずチェック

他人の著作物を使わず、フリー素材で代用する場面も多いと思います。この時にちょっと注意していただきたいのが【利用規約】です。

フリー素材だから自由に使ってOKという訳ではありません。それぞれの素材サイトに利用規約があり、ルールが異なります。例えば、下記のような条件が付いている素材サイトもあります。

  • 個人利用のみ(商用利用NG)
  • クレジット表記が必要
  • 素材サイトへのリンクが必須
  • 加工不可
  • 使用範囲の制限(アダルトサイトは使用不可など)

例えば、ご自身のブログなど個人的な利用であればOKだけど、会社のWebサイトやチラシに使うのはNG(商用利用にあたる)。とか、画像を使用する際に作者名を表示してください(クレジット表記)。といった規約を設けている素材サイトもあります。

素材サイトによってどのような条件になっているのかまちまちなので、フリー素材を使う場合は必ずチェックしましょう。たまに、利用規約が明記されていないサイトがありますが、規約が確認できない場合はその素材サイトは使わない方が安全です。

「使っても大丈夫」と言われても信用してはいけない

もちろん、ネットで拾った画像を勝手に使用してはいけないというのは理解されているかと思います。ただ、問題は上司から使用する画像を指定される場合です。

自分で画像を選定する場合はフリー素材や有料素材を探すなりで対処できますが、上司からネットで拾ってきた画像を渡されることも多々ありました。当然、その上司は著作権に関する知識を持っていません。

過去には、芸能人がSNSに載せた画像を引っ張ってきて「この画像使って」と言ってきた人も本当にいます。芸能人の画像でなくても、Googleの画像検索で見つけてきた画像を使えと言ってきた上司も実際に何人もいました。

その度に、使っても良い画像かどうか確認するのですが、だいたい「?」と言う顔をするか、何も考えず「大丈夫だと思う」と言います。「バレなきゃ大丈夫でしょう」と言ってきた猛者もいました。

メンドクセェ━━q(*′Д`)p━━ェエ!!

たぶん、制作会社に勤めているようなデザイナーさんや普段から制作に関わっているような方であれば、このようなことは無いでしょうが、私が勤める会社は制作会社ではなく、一般企業なのでこういうことを言ってくる人が少なくありません。いえ、むしろほとんどこのパターン。

こういう時に聞いてはいけないのは「この画像を使っても大丈夫ですか?」です。もし、上司の方や社長が「使っても大丈夫」と言った場合、その画像を使わなくてはいけない空気になり、その後のやり取りが大変面倒です。OK、NGの判断をさせない方が無難です。

使用しても大丈夫な画像かどうか疑わしい場合は、とりあえず、「この画像はどこから引っ張ってきた画像ですか?」と画像の出元だけ聞いておきましょう。

どうやってその画像を使わない方向に持っていくか

使用NGな画像を渡されたときに、どうやってその画像を使わない方向に持っていくか悩みどころです。

上司が「使ってOK」と言っても、他人の著作物を無断で使えば違法行為になります。もしも、トラブルになった場合に、責任だけを負わされるはめになることもあり得ます。なので、自衛のためにも画像の無断使用をしないように話を持っていきましょう。

画像を持ってきた上司の方のタイプにもよりますが、私はこんな方法で対応しています。

説明すれば分かってくれるタイプ

節度のある大人であれば、著作権の侵害になる旨を伝えれば、だいたいの方は理解してもらえると思います。こんな内容を説明すれば分かって貰えると思います。(たぶん…)

  • ネットで拾った画像を勝手に使用してはいけない
  • 個人がネット上に上げた画像にも著作権はある
  • 著作権は申請手続きなしでも発生する権利
  • 無断使用は画像検索で調べれば簡単に特定できる
  • 損害賠償やSNSの炎上などトラブル事例多数

よく分かっていないのに「大丈夫」と言うタイプ

著作権の侵害だと言っても、全く聞く耳を持たないタイプの方もたまにいますよねー。違法だと知りつつ「大丈夫」と言い張る猛者もいるので厄介です。(´Д`)⁾⁾⁾⁾

そんな時は「こういう雰囲気の画像を使いたいんですね、分かりました!探しておきます!」と言って商用利用OKのフリー素材を探します。そして、それ以上何も言わせない。

大事なのは相手に使用OK、NGの判断をさせないことです。

どうにもならないタイプ(非推奨)

説明しても聞かない、理解しないタイプの人には説明すらあきらめることがあります。

「この画像を使って」と画像を渡されても使いません。後から「頂いた画像はデザインの構成上、出番がありませんでした。また別の機会に使わせていただきます。」と言いスルーします。そして、その「別の機会」は永遠に訪れません。

画像を渡された時点では、まだ構成やデザインも決まっていないことが多いのでこの方法を時々使います。

一応、怒られたことはありません(運が良かっただけ)。できれば使えない理由を納得してもらいたいので、この方法はお勧めできません。しかし、画像の無断使用を避けるために、使わざるを得ない状況も多々あるのでたまにやります。

そこまでして他人の物をパクりたいのか

今回、著作権について調べてみましたが「この場合は著作権の侵害になる」「この使い方ならOK」のように具体的なことは書かれていませんでした。それ故に、どこまでがOKでどこからがNGなのかが分かりにくいです。

ただ、他人の物を勝手に使わない、と線引きすれば分かりやすいのかも知れません。ネット上にある画像があなたが作ったのものでないのなら、それは「他人の物」ですよね。

しつこいですが、ネットで拾った画像を無断で使用することは違法です。トラブルになれば、損害賠償を求められるだけではなく、そこにかかる費用や労力も負担になります。今はSNSでの炎上も怖いですよね。

何が何でも他人の著作物を使わないといけない理由はないはずです。いらぬトラブルを未然に防ぐためにも画像の無断使用はやめておきましょう。「フリー素材を探すのが面倒くさい」からと、ネットで拾った画像を使ってしまうと、その後にもっと面倒くさいことが待っているかもしれません。

商用利用OKのフリー素材サイトもたくさんあるので利用してみてはいかがでしょう。

ちなみに、私がよく利用する素材サイトはこちらです。(※必ず利用規約を確認してから使って下さい。)

もし、無料素材が見つからなかった場合は有料素材も検討してみて下さい。私は画像の重要度に応じて有料素材、無料素材を使い分けています。

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