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Cookie規制って何?なぜ規制されるのか?

Web担当のうたまるです。どーもです。

最近、リスティングの運用をお願いしてる広告代理店との打ち合わせで「サードパーティクッキーが規制される。」という話がちょいちょい出ます。でも、規制されるとどんな影響があるの?そもそも何それ?と思ったので整理してみました。

そもそもCookieって何だっけ?

Cookieとは、Webサイトを訪れたユーザーの情報を一時的に保存する仕組みで、Webサイトに残る足跡のようなもの。

この仕組みのおかげで私たちはWebサイトを便利に使えます。

例えば、Amazonや楽天みたいなECサイトを利用するときに、毎回ログイン操作をしなくてもいい。カートに商品を入れたままサイトを離れても、カートの商品が残っている。これらの便利な仕組みはCookieのおかげ。

ユーザーの閲覧情報などを一時的に保存して、次に同じサイトを訪れた時に、前回保存した情報を表示します。その他、Cookieはアクセス解析やリターゲティング広告などにも使われています。

Cookieは2種類ある

Cookieには、ファーストパーティクッキーとサードパーティクッキーがあります。

ファーストパーティクッキー(1st party Cookie)

アクセスしているWebサイトのドメインから直接発行されるCookieのこと。ECサイトのログイン状態を維持したり、カートの商品を一定期間残せる仕組みは、このファーストパーティクッキーが使われています。

ファーストパーティクッキーは閲覧しているサイト内で利用されます。

サードパーティクッキー(3rd party Cookie)

アクセスしているWebサイトとは異なるドメインから発行されたCookieのこと。

例えば、アクセスしたWebサイトに広告バナーが設置されていたとします。すると、そのWebサイトから発行されるCookie(ファーストパーティクッキー)と、広告を配信しているサーバーから発行されるCookie(サードパーティクッキー)の2種類が発行されます。

サードパーティクッキーは、複数のWebサイトをまたいでユーザーの行動履歴を蓄積できます。そして、その蓄積したデータから趣味嗜好を推測し、ユーザーにマッチしそうな広告を配信します(リターゲティング広告)。

セカンドパーティクッキーはないの?

ファーストとサードがあるなら、セカンドもあるのでは?とちょっと思いましたが、ありませんでした。

訪れたサイトである一人称視点から発行されるCookieをファーストパーティクッキー、第三者が発行しているCookieをサードパーティクッキーと覚えています。

なんでサードパーティクッキーが規制されるの?

サードパーティクッキーが規制されるのは、プライバシー保護が問題視されたからです。

サードパーティクッキーを使って収集したユーザーのWeb上の閲覧履歴を分析すると、個人の興味関心、居住エリア、家族構成、年齢、性別、年収、職業などが推測できてしまいます。そして、このデータを使ってユーザーの興味関心に合わせた広告を配信します。

これが「行き過ぎた個人情報の収集だ」という議論を呼び、規制されることになりました。

例えば、ECサイトで閲覧した商品のバナー広告が、他のWebサイトでも表示されるあの現象。勝手に閲覧履歴を分析されて広告に使われてると思ったら、確かにいい気はしないですよね…

すでに始まっているCookie規制

特に、欧米が先立ってCookie規制に動き出しました。

EU圏やアメリカでは法律によってCookieが制限され、海外ほどではないものの日本の法律でもCookieが規制されます。また、AppleやGoogleもCookie排除に動き出しています。

2018年5月にEU一般データ保護規則(GDPR)が施行

EU圏内の企業やEU圏内へサービスを提供している企業が対象。Cookieも個人情報とみなされ、Cookieを利用する場合はユーザーの同意を得る必要がある。

2020年1月にカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)が施行

カリフォルニア州の消費者が対象。Cookieや位置情報、検索履歴、ショッピング履歴なども個人情報として扱われ、企業が収集した個人情報の開示や削除を要求する権利が認められます。

2020年3月にSafariのサードパーティクッキーを全面的にブロック

Appleがドメインを横断したトラッキングを防止する機能である「ITP」をSafariに搭載。

2022年までにGoogle Chromeのサードパーティクッキーのサポートを終了

Google Chromeがサードパーティクッキーのサポートを2022年に終了すると発表。しかし、最近になって完全終了は2023年後半まで延期されました。

2022年4月に改正個人情報保護法が施行

個人情報保護法が改正され、Cookieは個人関連情報と定義される。個人情報≠個人関連情報で、Cookie単体では個人情報ではないが、他の情報と照合することで個人を特定できるなら、それは個人情報になり得る。

Cookieが規制されると、どんな影響が出る?

リターゲティング広告に影響が出る

サードパーティークッキーが活用される代表的な例がリターゲティング広告です。(同じ広告が何度も表示されるあの現象のこと。)

リターゲティング広告は、自社の商品やサービスに興味関心があると推測されるユーザーに対して広告を配信できるため、費用対効果が他の広告媒体よりも高いです。しかし、Cookieが規制されるとこのリタゲ広告が使えなくなるため、費用対効果が悪くなります。

具体的には興味関心の薄いユーザーにも広告が配信されるため、CPAが上がってしまいます。

2020年3月にSafariのサードパーティークッキーが全面的にブロックされているので、すでにこの影響は出ています。

計測ツールが正確に計測できない

広告の計測ツールにサードパーティークッキーが使われている場合は、正確な数値が計測できなくなります。Google Analyticsはファーストパーティクッキーが使われているので影響はなさそうです。

この先どうなるのか?

リスティングの広告代理店に聞いてみても「分からない」とのことでした。

2022年4月現在、リタゲ広告の成果が振るわなくなってきているのは事実ですが、対策として何ができるか、という結論は出ませんでした。

Googleがサードパーティークッキーに代わるものとしてPrivacy Sandbox(プライバシーサンドボックス)を開発しています。しかし、まだ未実装の段階で情報がなく、実際にどのような仕様になるのか分からないとのことでした。。゚(゚´Д`゚)゚。

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